佐藤哲男博士のメディカルトーク No.150
150. 「暮らしに必要な適応力」
人間は誰でも環境に順応する能力を持っています。たとえば、職場が変わった場合や、新入社員の場合、新しい職場環境に迅速に適応する能力、困難な状況を乗り越える精神的な強さは、順応力として考えることができます。順応力のある人は新しい方法を探す能力を持っています。固定的な考え方にとらわれず、状況に応じて思考や行動を変えることも可能です。
高齢になると適応力も順応力も衰えます。両者の違いは、順応力は周囲の変化に合わせていくことです。それに対して、適応力は自分から積極的に変化をつくることです。人間は誰でも環境に順応する能力を持っています。環境の変化に順応できないと生きることが困難になります。

また、適応力の高い人は自分から環境の変化に順応するので、周囲の人々との交流が良くなります。環境の変化に順応できないと生きることが困難になります。また、順応力が欠けると、不安やストレスを感じることが増えます。順応がうまくいかないと、さまざまな状況下で問題が生じる可能性があります。若い頃は新しい職場に移った場合でも、仕事上で新しい環境やストレスに対して順応できないと、精神的に影響を受ける可能性がありますので順応します。しかし、高齢になると適応力が低下します。その原因は身体的な物理的な原因と、心が素早く転換できないことによります。つまり、高齢による頑固さと他人の言うことに耳を貸さないことです。
適応力は獲得するもの
適応力は、持って生まれた特性ではなく自分で獲得するものです。自分から環境の変化に順応するので、周囲とのコミュニケーションが良くなります。また、適応力を身につけるためには、変化に応じて自分の考えを調整する柔軟性があります。適応力の高い人の特徴として挙げられるのは、コミュニケーション能力が高く好奇心が旺盛な人です。適応力のある人は、新しい環境に慣れるため、さまざまな人から積極的に情報収集を行います。また、広いネットワークを持ち、他者からサポートを受けることができます。
好奇心旺盛でチャレンジ精神がある人
好奇心とは、変化をポジティブに捉えることです。そして、チャンスによって生じる変化や新たなことに積極的に向き合うための土台となることです。チャレンジによって変化を乗り越えたとき、それは適応力が高いと言えます。また、頑固な人で他人のいうことに全く理解を示さない人は適応力があるとは言えません。人の意見に耳を傾けながら、多様な価値を認め、柔軟に受け入れることが「適応力が高い」と言えます。
適応力を身につけるメリット
昨今の企業では、一人ひとりがどのような人生やキャリアを積んでいきたいのか、常に考え行動することが重要です。生き方の選択肢が広がったので、自ら決断し、適応する力が求められます。適応力を身につけるメリットは、ビジネスにおいてさまざまなメリットが得られます。主なものは次の通りです。
- 変化に対する耐性が得られる
人は誰しも、変化を避けて現状を維持しようとしてしまいがちです。そのため、大抵の人は変化に対してストレスを感じてしまいます。適応力を身につけることは、変化に対する強い耐性を獲得した状態です。 - 異文化を楽しむことができる
最近は外国人など異文化で生活してきた人と接する機会が増えてきました。適応力を身につけている人は、偏見を持たずに接することができます。むしろ異文化に好奇心を持って楽しみ、興味を示すことによって、自らの視野を広げることにもつながります。 - 予想外のことにも柔軟に対応できる
ビジネスはもちろんですが、物事は計画通りに進まないこともあります。急に予定が変更して焦る場合もあるかもしれません。適応力を身につければ、想定外のことが起きても考えを切り替えることができ、ストレスを感じることなく柔軟に対応できるようになります。
適応力を高める方法は?

適応力を自分で高めていくためにはどうしたらよいでしょうか。適応力を高めていくための具体的な方法としては、例えば、依頼されたことは積極的に引き受けることです。他人から用事を頼まれた時に「自信がない」「面倒」「忙しい」など断わるための理由はたくさんあります。しかし、「どうすればできるのか」を自分で模索する力が適応力です。初対面で苦手な人と話をするときには緊張してストレスを感じるものです。
しかし、そのような人であっても、まずは相手の反応を過剰に意識せずに笑顔で挨拶してみます。それにより相手と打ち解けて話しやすくなることがあります。地道なコミュニケーションによって心の距離を縮めることで、新たに出会った人や苦手だと思い込んでいた人に対する適応力が高まります。
おわりに
環境が変わると身体はそれに慣れるのに時間がかかります。私は30年余大学の教員をしていました。毎日の講義や会議など比較的規則正しい生活を送っていました。しかし、平成8年の定年を境に毎日の生活のリズムがガラリと変わりました。
その後、2、3年間隔で、それまで経験しなかった身体の変調が見られました。夜中に突然息苦しくなり救急車を呼びたくなることもありました。猛暑の日歩いていて突然脈が乱れて近くの病院へ駆け込んだこともあります。これは全て生活のリズムが変わったことに身体がついていけなかったからです。そんなことを繰り返して4、5年たった頃、それまでの身体の異変が嘘の様に消えました。生活のリズムに身体が適応したからだと思います。
この経験から、適応力の有無は身体と心が密接に関連しているときに発揮されることを経験しました。
2026年2月1日
付録
「笑いのコラム」
医者と患者の掛け合い
医者「ところで、今日は良いニュースと悪いニュースがあります」
患者「悪いニュースからお願いします。」
医者「あなたの寿命はもって半年です。」
患者「それじゃ、よいニュースは?」
医者「3ヶ月後に認知症が発病し何もわからなくなります。」
魚釣り
精神病院で、ある患者が風呂桶に釣り糸を垂れていた。巡回中の医者がからかい半分に訊いた。
医者「どうです、釣れますか?」
患者「・・・釣れないねえ」
医者「なぜなんです?」
患者「・・・ここ、風呂場だからね」
精神科病棟にて
医者「もう一度聞くよ。あなたはなぜ30人も殺したのかね?」
患者「そうしないと地獄に落ちるといわれたのです。」
医者「誰にそんなことをいわれたのですか?」
患者「ある日、神様がそうおっしゃったのです。」
隣の患者が医者にそっと告げる。「彼は頭がおかしいのですよ。私はそんなこと言ってませんから。」
老人の患者と医者
興奮した患者が手で髪をかき乱しながら、精神科医の診察室を歩きまわった。
「先生、記憶がなくなったんです。 何もないんです! 妻の名を思い出せません。子供の名が分かりません。 自分がどんな車を運転しているのか思い出せません。自分がどこで働いているのかも。 ここへ来るのもやっとだったんです。」
医者「落ちついて。 いつからこうなりました?」
患者「こうって?」
患者「本当に、もう、毎日悲しいことばかりなんです。満たされなくて、いつもつらい気持ちなんです」
医者「うむ。隣の街に、どんな人でも楽しい気持ちにさせてくれることで有名なピエロがいるそうだから、行って楽しませてもらってはいかがですか?」
患者「それは私です」 <英語ジョーク集より引用>

